桜庭一樹「荒野の恋 第一部 catch the tail」

やっと読了。
小説家の父を持つ中学1年になったばかりの女の子、山之内荒野とクラスメイトの神無月悠也の淡い恋の一歩手前のお話。荒野は、入学式に向かう電車で悠也に助けてもらい、しかも同じクラスになったのに、いきなり、嫌っているかのような態度を取られ、いったいなんなんだろうと戸惑う。「恋ってなあに?」という女の子と、難しい言葉で語る男の子。どちらも急激に体は成長していくのに、まだ心が追い付かない。
こんなにも純粋で愛らしく育っている子供たちがいるんだろうか、今どき。表に見えないだけで、実際、心の中はこんなにもピュアなのかなあ。非常に繊細で、ひとつひとつが非常に丁寧に書かれていて好感。第二部は秋に発売予定だそうだけれども、今から楽しみ。