ヒキタクニオ「鳶がクルリと」

単行本が出たときに、本の雑誌で紹介されていて、とても読みたいとおもっていた一冊。文庫になったので購入。会社で波風立てずに平凡に生きている上司が、まるで毎日が冒険といわんばかりの物言いをしているのを聞いたのをきっかけに、一流企業を辞めた女性が、あるきっかけから、鳶集団「有限会社 日本晴れ」で仕事をするようになって、鳶という職に惹かれていく。そういう話。その女性が鳶になるわけじゃないけれど。いきなり軍事マニアみたいな会話があったりして、なんだなんだと思ったりしたけれども、一本筋の通った職人の生き方が感じられる良本。